大きなハンドルを握り、エンジン音を聞きながら一人走り続ける…。
トラック運転手に興味があるけれど、具体的にどのような仕事なのか、どんな人が向いているのかイメージができなくてためらっていませんか?
この記事では、これからトラック運転手になりたい人に向け、仕事内容や給料相場、トラック運転手になる方法などを紹介します。ぜひ将来の進路を決める参考にしてください。
トラック運転手になるには
トラック運転手になるには、当然のことですがトラックが運転できる運転免許が必要です。普通免許だけでも小型トラックには乗れますが、運送会社に就職するには「準中型/中型免許」や「大型免許」の取得は必須といえます。
ただし、会社によっては中型・大型免許なしでも採用し、取得をサポートしてくれるケースもあります。
また、国の指定を受けた中型・大型免許を取得するための講座は教育訓練給付制度の対象です。雇用保険に加入していた人は利用できる可能性があるので確認してみましょう。
※平成19年6月1日以前に普通免許を取得した場合は、4tトラック(中型トラック)を運転できます。免許の取得日を確認してみましょう。
中型・大型免許の他には、「フォークリフト免許」もあると仕事の幅がひろがります。
トラック運転手の仕事内容
トラック運転手の仕事は、指定の場所までトラックを運転するだけではありません。荷物の積み込みや固定作業、荷下ろし作業などもトラック運転手の仕事に含まれます。
トラック運転手は運転する距離によって、「地場ドライバー」と「中・長距離ドライバー」に分けられます。
地場ドライバーは、会社や車庫から50km~200km圏内で配達するのが仕事です。同じ配達先を回る定期便、同じ荷主で違う配達先を回る専属便、さまざまな荷主の荷物を運ぶフリー便とに分けられます。
中・長距離ドライバーは、主に片道300㎞以上の距離で配達をおこないます。運賃契約を結んで運転するチャーター便、地場ドライバーと同様に定期便などがあります。
中・長距離ドライバーは、トラック内に宿泊することになります。長距離の場合は、家に帰れるのは週末だけという人も多いです。
給料は高い?実は高収入なトラック運転手
厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、大型トラックの年間所得額は463万円、中・小型トラックでは431万円となっています。
この統計だけ見ると「トラック運転手って、給料安い…?」と思いがちです。
けれどもこの統計は「年間所得額」なので、年収に直すと大型トラックでだいたい640万円程度となります。令和3年の年収の中央値は440万円なので、世の中の多くの人よりも稼いでいるといえます。
トラック運転手は会社や条件によっては年収700万円以上になるケースもあり、高収入が期待できる仕事です。
未経験者が運送会社に就職するには
トラック運転手は人材不足のため、物流会社や運送会社からの求人が多い職種です。
選考にあたって学歴、年齢はあまり重視されない傾向があります。トラック運転手の業務は肉体労働的な側面があるため、面接では辛い仕事に耐えられる熱意や体力が特に重視されます。ただし、仕事によっては荷物がカゴ付きの台車に入っていて、それほど体力が必要ない場合もあります。
中型トラックの求人は未経験者でも採用されやすいですが、大型トラック運転手は経験者が優先的に採用される傾向があります。
大型トラック運転手になりたい場合は、先に中型トラックで経験を積みつつ大型免許を取得するとスムーズに転職できるでしょう。
トラックドライバーになるか悩んでいるあなたへ
就職や転職は人生の大きな決断になります。自分がトラック運転手に向いていると感じないと、なかなか一歩前に踏み出せないでしょう。
ここからは、トラック運転手に向いている人と向いていない人の特徴を紹介します。
向いている人の特徴
トラック運転手はほとんどの時間を運転するため、大前提として運転が好きでないと難しい職業です。
その他にトラック運転手に向いている人の特徴は以下の通りです。
- 自己管理能力がある
- 体力がある
- コミュニケーション能力がある
- 穏やかな性格
トラック運転手は1人で行動することが多いため、体調や時間などの自己管理が大切です。
スポーツなどで体を鍛えた経験があり、事務所や荷主とのやり取りがきちんとできるとなおいいでしょう。
また、トラックは運転に慎重さが求められるため、スピードを出しすぎたり急ハンドルを切ったりしない穏やかな性格の人が向いています。
向いていない人の特徴
言うまでもないことですが、運転が嫌いな人はトラック運転手に向いていません。
その他の向いていない人の特徴は以下の通りです。
- 寂しがり屋
- 遊びに行くのが好き
- 短気
トラック運転手は1人仕事です。職場にもよりますが、積み込みや荷下ろしのとき近くの人と少し挨拶する程度なので、仲間とワイワイ仕事するのが好きな人には向いていません。
また、長時間労働なうえ、トラックに宿泊する場合は駐車場で過ごすことになります。周辺に遊興施設などがない場所に駐車場があることが多いため、仕事が終わったら遊びたい人はフラストレーションがたまるかもしれません。
性格的に短気だと、大きな車体のトラックを操るのは危険といえます。
女性のトラック運転手は増加傾向
トラック運転手は男性が圧倒的に多いですが、その状況を改善するために日本政府は「トラガール促進プロジェクト」を立ち上げて、労働環境の改善や女性ドライバーの雇用を推進する等の施策を実施しています。
女性にとっても働きやすい環境が整備されてきているため、活躍の場が広がっています。いまやトラック運転手は、男女問わず適性と興味があれば挑戦できる仕事になっています。
まとめ
トラック運転手のお仕事について紹介しました。
決して楽な仕事ではないトラック運転手ですが、自らの腕で稼ぐ気概のある人にはおすすめの職業です。運転が好きな人や、若いうちからたくさん稼ぎたい人は、ぜひ挑戦してみてください。
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